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Article: 【グルテンフリー米粉の秘密】鹿児島・小城製粉を訪ねて

【グルテンフリー米粉の秘密】鹿児島・小城製粉を訪ねて

【グルテンフリー米粉の秘密】鹿児島・小城製粉を訪ねて

「グルテンフリーなのに、どうしてこんなにふんわりしっとりしているの?」

C’est du nanan(セデュナナン)のお菓子を召し上がったお客様から、よくいただく言葉です。

小麦を使わない。 

それなのに、パサつかない。
むしろ、きめ細やかで、口の中でほどける。

その“おいしさの正体”を実際に見て学び、皆様にもお伝えすべく、小城製粉株式会社様へ見学に行ってまいりました。

 


1. 目指すは鹿児島の米粉工場!

向かった先は、鹿児島県薩摩川内市。
ナナンの工房がある大分県宇佐市から車で約7時間。

(父よ、最新ナビに翻弄されながらの長距離運転、本当にありがとう。)

私たちが使用している米粉を製造している、小城製粉株式会社様を訪ねました。

小城製粉と同じ敷地内にあるアンテナショップ「のせ菓楽」。

洋菓子から鹿児島の郷土菓子まで、米粉でつくった多様なお菓子を取り揃えています。

 

C’est du nananのお菓子づくりになくてはならない「米粉」。
 それを製造しているのが、鹿児島県薩摩川内市にある小城製粉株式会社。

小城製粉さんは、単に米を粉にするだけでなく、数百種類もの米粉を作り分けています。
 和菓子用、洋菓子用、パン用……それぞれの用途に合わせ、挽き方や水分の含ませ方、配合を変えているそうです。

 


 

2. お米の選別:粉づくりは“米を整える”ことから始まる

工場に入ると、まず耳に届くのは機械の規則正しい音。
静かな緊張感が漂っていました。

製粉の前段階で行われていたのは、想像以上に精密な「選別」です。
異物や虫食いを、高性能な機械が一粒ずつ瞬時に判別し、除去していきます。その工程を何度も繰り返した先に現れたのは、真っ白なお米。

自然の影響を受ける農産物だからこそ、最初の入口で精密に整える。
米粉の品質を安定させるために、ここまで徹底していることに驚きました。

数百種類の米粉が並ぶ倉庫。

セデュナナンが使っている米粉も発見。

 


 

3. お米を洗う:湿式・乾式、そしてテンパリング

米粉づくりの主役は製粉機。
そう思っていた私たちにとって、もうひとつの学びがありました。前工程の重要性です。

まず行われるのは、米を洗い、ぬかを丁寧に落とす作業。
ごはんを炊く前と同じように、米を水に浸し、整えるところから始まります。

その後の工程によって、米粉の性質は大きく変わります。

乾式製粉は、乾燥させた硬い状態の米を砕く方法。
粒はやや粗くなります。

湿式製粉は、米に水分を含ませた状態で砕く方法。
水を含んだ米は内部がもろくなり、より微細な粒子に仕上がります。

私たちが主に使用しているのは、この湿式製粉です。

その要となるのが「テンパリング」。
洗った米を一定時間寝かせ、中心まで水分をゆっくり浸透させる工程です。
砕き方を整えるための、大切な設計です。

さらに乾燥にも工夫があります。
例えば、プレミアム米粉など目の細かい湿式製粉の米粉は、粉砕後に素早く乾燥させています。一方、風味をより引き出したい、かるかん粉や上新粉などの荒目の米粉は、45度以下でゆっくりと乾燥させています。このように、米粉の製品特性に合わせ、最適な温度とタイミングで乾燥工程を使い分けているのです。

製粉工場内を能勢勝哉社長と製造係長 吉留さんが案内してくださいました。

 


 

4. 「しっとり食感」の秘密。“製粉”だけで終わらない。

小城製粉さんの米粉の特徴として、私たちが強く印象に残ったのが、「ブレンドして仕上げる」という思想でした。

お菓子やパンなど、用途に応じて最も美しく仕上がる粒度バランスを設計し、配合する。
つまり、粉そのものが用途別に設計されているのです。

レシピに合わせ、粉の段階で成功確率を高めておく。
その考え方に、思わず頷きました。

さらに興味深かったのは、「粒の形」です。

ナナンで使用しているプレミアム米粉は、特殊な製法によって粒子が丸く整っているんだそう。
顕微鏡で見ると、角が立たず、均一な球状に近い形。

この米粉は、ざらつきを抑えた滑らかな口どけを実現してくれます。

一方、寒梅粉は、もち米を薄く伸ばして焼いてから砕くため、粒は尖り、やや粗め。
落雁や豆菓子の衣など、伝統菓子に使われる粉です。

粒の形が違えば、食感も変わる。

同じ「米粉」という言葉の中に、これほどの設計の違いがあることを知りました。

 


 

5. ものづくりへの本気度

工場見学中、強く印象に残ったのは、徹底した管理体制だけではありません。
スタッフの皆さまの落ち着いた佇まいと優しさ、やわらかな言葉づかいでした。

作業場には、所々に「ありがとう」と書かれた張り紙が。
 

人にも、機械にも、ありがとう。

日々の積み重ねが、言葉として現れているように感じました。

入口にも「ありがとう」

小城製粉さんでは、2011年から本格的にグルテンフリーへの取り組みを進めてこられています。

単に粉を製造するだけでなく、「米粉でどうすれば美味しいお菓子やパンができるのか」を自社で研究。
能勢社長の弟さんである取締役・小城吉輝氏がレシピ開発まで担い、「米粉パン専用粉」の開発には2年を費やされたそうです。

粉づくりと、使い手の視点。
その両方を持ち続ける姿勢に、作り手として深く共感しました。

私たちが自信をもって「美味しい」と言える背景には、こうした地道な研究と積み重ねがあります。

賞状やトロフィーがたくさん!

 


 

6. 未来の「もち・ふわ」を求めて

見学の最後には、新商品開発についても意見を交わしました。

開発中の配合や食感の方向性について相談を重ねる中で、
「この粉なら、もっと表現できる」
そんな言葉をいただきました。

粉の可能性を知るほどに、まだ試してみたいことが増えていきます。

日本の農産物を使い、
体に負担の少ない素材で、
それでも妥協しない美味しさをつくる。

C’est du nananはこれからも、粉の一粒から設計する菓子づくりを続けていきます。

次に生まれる「もち・ふわ」に、どうぞご期待ください。

左から:能勢社長、松下営業部長、当店こども店長、代表・時永。

 


 

最後に

今回の工場見学を通して、米粉は「米を粉にしたもの」という一言では語れない素材だと、あらためて実感しました。

小城製粉さんは、特定の品種に依存することなく、気象条件や作柄の変化があっても安定供給できる体制を築いています。

原料米の選別、水分と乾燥条件の設計、粒度とブレンド。
その積み重ねが、あの“ふんわり、しっとり”の特別な口当たりを支えていました。

見学で得た学びを、C’est du nananのお菓子づくりに生かし、米粉の価値をより分かりやすい形でお届けしていきます。

このたびは貴重な機会をいただきましたこと、小城製粉のみなさまに心より御礼申し上げます。

 


 

取材協力:小城製粉株式会社

鹿児島県薩摩川内市に拠点を置く製粉会社。「ハード(粉の製造)」と「ソフト(菓子・パンづくりの技術や情報)」の両輪で、使いやすく、おいしい原料を提供することをモットーに掲げ、米の製粉・製造・販売に加え、開発研究にも取り組む。日本の和菓子技術を生かし、パン、スポンジ、洋菓子、和菓子など用途別の米粉を開発・提案。

会社名: 小城製粉株式会社
所在地: 〒895-0041 鹿児島県薩摩川内市隈之城町1892番地
公式サイト: https://kojoseifun.co.jp/

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