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記事: アップサイクルで繋がる未来|LYRIS代表・間弓洋江氏 ロングインタビュー【社会貢献×バッグブランド】

アップサイクルで繋がる未来|LYRIS代表・間弓洋江氏 ロングインタビュー【社会貢献×バッグブランド】

アップサイクルで繋がる未来|LYRIS代表・間弓洋江氏 ロングインタビュー【社会貢献×バッグブランド】

インタビュアー:C'est du nanan 代表 時永絵美

2025年7月に開催されるLYRIS初のファンミーティングを前に、LYRIS代表・間弓洋江さんにインタビュー。ブランドの誕生秘話から、フィリピン女性たちへの想い、そして未来への展望まで——LYRISの物語に迫ります。

👉 参加申込はこちらから。

Marché Tote with liner / マルシェトート ライナー付

 

LYRIS誕生のストーリー フィリピンでの出会い

時永絵美(以下 時永): 本日はファンとして、ぜひ色々とお話を伺えたら嬉しいです。LYRISのバッグは、フィリピンで飲料パックを再利用したバッグを見たことがきっかけだと伺いました。


間弓洋江さん(以下 間弓): バッグとの出会いは、マニラに赴任していた親戚夫婦を訪問した時です。現地のNGOで活動していた奥様が持っていたバッグに一目惚れしてしまいました。「かわいい!」と思って工房に連れていってもらい、10個ほどバッグを購入しました。シンガポールに持ち帰ったら、あっという間に友人に譲ることになって、自分の手元には1つしか残らなかった(笑)。

当時私はシンガポールに住んでいたのですが、そこは スコールが 多くて湿度も高いから、革のバッグはカビてしまうし、布のトートは雨が降ると中まで濡れてしまう。 ジュースパックからできているこのバッグは素材そのものが防水だし、常夏のシンガポールなら一年中使えるのではないか、と閃きました。

 

時永:素材がニーズにぴったり合致したのですね。

 

間弓:でもその当時のデザインは、ピンクと緑のガラガラ模様、ポケットなし、チャックもなかったりサイズもA4が入らなかったり。そこで「こうだったらいいのに」を少しずつ工房の人たちに伝えて、改良してもらいました。

Comojaco / コモジャコ

 

🌍 ただ可愛いだけじゃない。作り手であるフィリピン女性を支えるブランド


時永:デザインへのこだわりに加えて、LYRISはフィリピンの女性たちの労働支援にも繋がっていますよね。その想いは最初からあったのでしょうか?


間弓: それは大きかったですね。当時住んでいたシンガポールの家に、フィリピン出身のとても優秀な メイドさんがいたんです。彼女は本当に優秀なのに、フィリピン国内では良い職がなく、出稼ぎでメイドをした方が稼げてしまうという現実があって。なんだかやるせない気持ちを抱えていました。

フィリピンでは法律的にも女性が厳しい立場に置かれている部分もあって、自立したいと思っても、なかなか難しい人が多いのが現状です。


時永:社会的な背景も深く関わっているのですね。


間弓:そう。シングルマザーも少なくないです。出稼ぎで夫婦が長く離れて暮らすことも多く、それが家庭崩壊の一因にもなってしまう。

私が支援しているNGOの工房はそんな地域にあります。工房で働くことで、家庭で子どもを育てながら収入を得ることができる。スキルを持っていても職場がないという現状に、少しでも寄り添いたいという気持ちがあります。


時永:なるほど、LYRISの活動が単なるアップサイクルではなく、現地女性の自立支援でもあることがよくわかります。間弓さんご自身の体験と、現地の女性たちが置かれた状況が繋がったのですね。


間弓: そうなんです。だからこそ、ただのボランティアで終わらせたくなかった。きちんと「商品として魅力的なもの」でなければ続かない。だから、日本やシンガポールの女性が本当に欲しいと思えるように、「ここにチャックを」「内ポケットを」「このサイズで」と、直接顔を合わせて改良を重ねていきました。

Ubud /ウブド

 

🔄 予期せぬハプニングも「味」として受け入れる


時永:デザインの改良も、現地の工房の方と直接やり取りされているのですね。


間弓:はい。シンガポールからマニラは飛行機で2〜3時間の距離なので、当時は本当に2ヶ月に1回くらいのペースで、メジャーを持って何度も通いました。メールでのやり取りだけだと、思ったものが出てこないことが多くて。「え?これ?」みたいなものが出来上がってきてしまう(笑)。

素材を編んでいくので、編み目の数が違ったりすると、出来上がりのサイズがばらばらになったりするんです。寸法はこのくらいで、とお願いするのですが、今でも「あれ?」ってなることはあります。でも、それが世界に一つだけという愛らしさにも繋がっているのかなと思います。


時永:手仕事ならではの温かさですね。ものづくりをされていると、色々な予期せぬ出来事もあると思いますが、特に大変なことはありますか?

 

間弓:もう未だに想定外のものが出来上がりますよ(笑)。それが楽しい時もあるんですけどね。「今回はこれ来たか!」みたいな(笑)。日本にいる感覚とは違いますよね。こちらの当たり前があちらでは当たり前ではないから。

あと、リサイクル素材なので、色の指定をしても、その素材が出てこないと作れないんです。だから「白いラインを入れたい」と言われても、白い素材がないと作れない、ということもあります。

プティトートチャーム  (※ぬいぐるみは一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル様のチャリティアイテムです。)

 

🌎サステナブルな未来に向けて——ブランドの未来とファンへのメッセージ


時永:これからのLYRISが目指す未来について教えてください。


間弓: 大量生産できるものではないので、ブランドを大きく拡大することが目的ではありません。それよりも、この活動を「継続可能(サステナブル)」にしていくこと。作り手の女性たちに適正な対価を還元し、お客様には長く愛されるものを届ける。このサイクルを絶やさずに続けていくことが一番の目標です。


時永: まさにサステナブルですね。

最後に、LYRISを愛する私たちファンにメッセージをお願いします。

 

間弓: LYRISは、ファンの皆さんがいなければ成り立ちません。本当に、皆さんに支えられています。私たちが大切にしているのは、花火のように一瞬で広がるのではなく、キャンプファイヤーのように、じわじわと温かい輪が広がっていくこと。ユーザーの方が「このバッグね、実は…」と、その背景を誰かに話したくなる。その口コミこそが、私たちの何よりの力です。作り手の顔が見えることで生まれる繋がりや愛着を、これからも皆さんと一緒に育んでいけたら嬉しいです。


時永:LYRISの魅力は、バッグそのものの可愛さもですが、やっぱりその背景を知ったファンが、自ら「このバッグはね、」と語りたくなるところですよね。


間弓:まさにそれが狙いです。インフルエンサーよりも、身近な人の一言の方が影響力がある。口コミでじわじわ広がる「焚き火」のようなブランドでありたい。


時永: 私も母も、まゆみさんのバッグを持っていると「それどこの?」って必ず聞かれます。その度に、熱く語ってしまいます(笑)。作り手の想い、使う人の喜び、そして社会への貢献。その全てが美しい循環となって繋がっているLYRISの世界。もっともっと広がっていくと嬉しいです。今日は本当にありがとうございました。

 

 

対談を終えて

今回のLYRIS代表・間弓洋江さんへのインタビューは、私にとって一ファンとしても大変興味深く、多くの勇気をいただける貴重な時間となりました。

間弓さんの、フィリピンの女性たちへの愛情、そしてアップサイクルを通じた社会貢献への強い意志に、心から感銘を受けました。

特に印象的だったのは、手仕事ゆえに生じる製品の個体差を「味」として受け入れ、「これができたんだね」と、職人さんのありのままを受け止める間弓さんの深い懐。よほどの不良品でない限りは受け取るというLYRISのスタイルは、ビジネスとしては難しい選択だとお話されていました。

それでも「継続」すること、そしてフィリピンの女性たちに適正な対価を還元するという姿勢に、深く敬意を抱きました。

この素晴らしいつながりを、C'est du nanan Tokyoからも広めていけたらと願っています。


 

【注釈】フィリピンの離婚制度について

インタビューの中で、フィリピンでは出稼ぎなどを理由に夫婦が離れて暮らすことで離婚率が高いという話がありました。フィリピンは、バチカン市国を除くと世界で唯一、離婚を法的に認めていない国です。離婚の代わりに「婚姻の無効(Annulment)」という制度がありますが、手続きは裁判を通じて行われ、非常に高額な費用と長い年月を要します。精神的な欠陥などを証明する必要があり、そのハードルは極めて高く、特に経済的に弱い立場に置かれがちな女性にとっては、不幸な結婚から抜け出すことが非常に困難な状況となっています。このような背景も、NGOが支援するシングルマザーの女性たちが経済的自立を強く求める一因となっています。

LYRISが支援するNGOは、そうした女性たちの自立を後押しする重要な役割を果たしています。

 


✈️お知らせ

7月、LYRIS初のファンミーティング開催!間弓さん登場!

来る7月4日(金)、C'est du nanan Tokyoにて、LYRIS初となるファンミーティングの開催が決定いたしました!

インタビューでも話題に出た、フィリピンの工房から届くビデオレターの上映や、素敵な景品が当たる抽選会など、間弓さんご本人とファンが直接交流できる貴重な機会となります。

そんなLYRISの世界観に触れられるファンミーティングが、2025年7月に「C'est du nanan TOKYO」で開催されます。リリスのバッグとナナンのお菓子が入ったギフト、美味しいワインやドリンク、NGOからのビデオレター、そして抽選会と、盛りだくさんの内容です。

抽選会では、なんとLYRISのオリジナルバッグのオーダー権も景品に!

イベント限定・LYRIS スペシャルブレンド コーヒーもお楽しみいただけます!

以下のリンクからお申し込みください!

👉 参加申込はこちら https://lyrisfriendly.peatix.com/

【イベント情報】LYRIS初のファンミーティング


📅 2025年7月4日(金)

📍 C’est du nanan Tokyo

🎁 リリスのバッグ&お菓子ギフト / ワイン・ドリンク付き  

🎥 NGOからのビデオレター上映  

🎲 豪華景品が当たる抽選会(オリジナルバッグのオーダー権も!)  

 


LYRISの最新情報や商品は公式サイトをご覧ください:

- LYRIS 公式オンラインショップ:https://lyrislyris.theshop.jp/

- Lyris World (Instagram もこちらから!)https://unit.link/lyris-ecofriendly  

 

ぜひ、LYRISとC’est du nananの活動をこれからも応援してください!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

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LYRIS BLEND【イベント限定】想いを込めたコーヒー「LYRIS Blend」ができました。
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